Stories Vol.1

Vol.1 高3 Mさん

ー和洋生の成長を語ってもらう「Stories」の第1回。栄えあるトップバッターになったのは高3のMさんです。よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

 

ーまずはじめに伺いたいのは「Mさんはどのような小学校生活を送っていたか」ということです。和洋に入学する前のことですね。

今考えると、親や先生に言われたことを毎日こなすだけの生活だったように感じます。習い事などもあまり長続きしませんでした…。

 

ー中学受験をしようと思ったきっかけは何ですか?

小学校では周りのクラスメイトから色々言われることが多くて、その頃はそれを深刻にとらえてしまって、嫌だなぁと思うことが多かったんです。そういう意味では新しい人との出会いを求めていたのかもしれません。
小学校の頃には何か言われてしまったことが、和洋では認めてもらえたり、時に諭してもらえたり、という雰囲気があってとてもやわらかさを感じます。そういう意味で、私は女子校がとても合っていると感じています。

 

ーそのような中で、和洋九段を受験したのはなぜですか?

私は塾に行っていなかったので、母が色々学校を見学して、私の性格に合いそうな学校を見つけてくれました。何校か受験しましたが、和洋の説明会に一番参加していました。

 

ーとても毎日楽しく過ごしているようですし、和洋の生活でここまで成長できたのですから、お母さんの見立ては合っていたのかもしれませんね。

ー和洋に入って、自分がこの学校に合っているなぁと思うところはどんなところですか。

自分と同じようにおおらかな人が多いところです。先生も信頼できるし、励ましてくれることが多いですね。人間関係の面で、一番和洋が合っていると思います。

 

ーおおらかさというのはどんなところに表れているんですか?

優しく励ましてくれるところです。一方で、優しさがありながら言うべきところは言って修正してくれる友人もいます。例えば私がネガティブな見方をした発言をしてしまった時に「でも○○という考え方もできるよね」と別の視点を示してくれて、自分自身とても冷静に考えることができるようになってきています。
このような関係性は中学生の時からずっと続いています。私に非があることも「自分もそういうことはあるよ」と言って許してくれました。本当にその優しさに何度も救われました。

 

ー同調圧力が働きがちな集団とは違う感じがしますね。「あなたの気持ちわかるよ」と認めてくれながら別の見方を示してくれるのがいいですね。

ー中学時代の自分を振り返って心に残っていることはありますか?

中3の時の担任の先生の影響が大きいと思います。はじめ怖いイメージがあったのですが、厳しい中にも見守るように私たちのことを見てくれていて、困ったときにはしっかりと話を聞いてくれる。厳しい中に守られている感じが、今の自分を作ってくれていると思います。
あと、授業中に勇気を持って発表した時、ある先生が「ファーストペンギンがいてくれるから次に繋がっていくんだよ。はじめに発表してくれてありがとう」と話してくれたことが印象に残っています。それ以来、最初に発表してもよいんだと思えるようになりました。

 

ー中学時代に一番の興味を持ったことはどんなことだったんですか?

今大好きな歴史は、小学校の受験の時から好きだったんですけど、中学の時にNHKの大河ドラマで三谷幸喜さんの「真田丸」を見て戦国武将にどっぷりはまってしまいました。その後、NHKのオンデマンドで一気に見る程でした。

 

ーたまたま見た大河ドラマが「好き」の根本になるのはおもしろいですね。すてきな縁だと思います。歴史のどんなところがおもしろいんですか?

過去にこんなすごいことをしていた人がいたという情報が残っていることがすばらしいと思います。最近好きなのは清少納言の「枕草子」です。1000年以上前に書かれた日記なのに共感できるところが多いし、書かれている内容が本当におもしろくて。1000年経っても感性って意外に変わらないんだなぁと思いました。

ー今と同じ感覚を1000年前の人も持っていたというのがおもしろいですよね。Mさんが歴史以外の文学にまで興味を広げているのが素敵ですね。

ー高校生になってから何か変化がありましたか?
高1の5月に行った飯綱・芋井でのPBLが私にとっての大きな転機でした。小学生の頃から発言することは嫌ではないタイプでしたが、発揮できるチャンスが特に高校になって増えてきました。
実は私は妖怪が好きで、中3の文化祭の時、歴史部で妖怪伝説を扱いました。校長先生が「高1の研修旅行で行くのがここに書かれている飯縄三郎伝説の土地ですよ」と教えてくれて、それ以来ずっと天狗のことが気になっていて…。民泊先の方に飯縄三郎のことを話したら驚いていました。
民泊先で経験したリンゴの摘花作業や夜に見たきれいな星空。自然の山々。飯縄山の天狗…。これらを地方創世のPBLの案に入れようと考えました。特に他とは違う目を引くものとしての「天狗」。これはとても魅力的だと思います。

 

ー本気で取り組みたい、と思える原動力はどのように生まれたんですか?
民泊先の方にはたくさんのことを教えてもらっただけでなく、いろいろなエールをもらいました。その時感じた温かさは、ずっと一緒にいる人からもらうものとは違った応援に感じました。
また、祖父母が生活している地域と重なって、このままだと消えてしまうかもしれない地域を活性化するためには、自分一人では無理だけど、たくさんの人で考えたら何か生まれるかも、と思うことができ、真剣度が高まりました。「本気で活性化のお手伝いをしたい」と強く思ってプランを作りました。

 

ーあの時の雰囲気は、現地の方も圧倒するような若者の持つ熱量を感じましたね。
グループの皆が出してくれた意見を最大限活かして、私たちは「星空QRコード」について提案をしました。大人の方々から高評価をいただき、地元の新聞に載せてもらったことで大きな達成感を感じました。それが次も何かやってみたいという原動力になったように思います。

 

ーMさんにとって「行動者」となる転機や原動力となったものは何だったんですか?
21CEO(21世紀教育機構)でのワークショップに参加したことからです。同じグループに同世代がいなくて他校の先生たちと同じ立場で「幸福」について対話を行ったことがとても楽しかったのがきっかけです。
その時の発表では緊張してしまい、上手くできなかったことをとても後悔しました。せっかくグループで考えてできあがったよい案をうまく伝えられなかったと感じていたところ、もう一度プレゼンテーションのチャンスがあることを知り、7月のオンラインプレゼンテーションに参加することにしました。

 

ーそのような中で得られたものはありますか?
自分が考えていることをしっかり伝えたい、と願っている「内なる自分」を実感しました。また、その時にチームを組んだHappiness3Msのメンバーでの準備の時間も特別でした。彼女たちとは中1からの親友なのですが、コロナの影響で直接会えず、うまく話しが進まないもどかしさも感じました。それでも、役割分担をしながら限りある時間で協力して完成させることができました。

 

ーここまでのインタビューを通して、改めて気づいたことはありますか?
私は発表することが好きなんだなぁと改めて実感しています。元々人見知りはしないタイプなので、異常に緊張はするけど発表はしたいという感じでした。他校の生徒さんとのコラボ企画でも、外部での大人との対話でも、物怖じせずに意見を言えたと思います。

 

ー将来このようになりたい、というものはありますか?
将来の職業的な夢はまだ見えていません。ただ、自分の好きな「歴史」を極めていきたいので、マニアックな知識を活かしていきたいと考えています。例えば、今ある孤立の問題を解決するために江戸時代の長屋の考えを取り入れたり、枕草子や妖怪に関する知識を、今困っている人や辛い人を助けていけるような何かに還元していきたいです。「自分の好き」と「社会問題」を色々とかけあわせて改善策を作っていく、そんなことができるといいなぁと考えています。
中学の頃は「自分の好き」は自分のためだけでしたが、色々な場所に行って色々な人に自分の意見を聞いてもらううちに「自分の楽しい」はそれだけでは終わらず、「周りの誰かの助けになる」ことを実感できたので、将来的に「自分の好き」を私以外の誰かのために役立てていきたいです。

 

ー長屋の問題は興味深いですね。どのように思いついたんですか?
自主活動の論文を書く際、「長屋=大変なことがあったときの助け合い」をベースに考えてみました。地球上に今ある異常気象や地球温暖化の問題は地球からのSOSだと感じています。SDGsをきっかけにして持続可能な世界のために何ができるかについてもたくさん考える機会がありました。江戸は当時の世界三大都市にもなっていて、隣近所との関わりや人と人との心の距離、生活する人々の関係性が今にはない緊密さを持っていたと思います。この考え方は、世界中の人の協力が必要となる今だからこそ再考される価値があるのではないかと思います。

ーなるほど。過去の中に今の問題を解決する糸口が見いだせるかもしれませんね。SDGsと長屋が結びつくのが意外でおもしろいです。

ー改めて、私立中高で学ぶよさって何だと思いますか?
高校受験もなく、6年間同じメンバーなので、いい意味で閉鎖的な空間だと思います。安全が確保された上で自分のやりたいことを思う存分できるし、関係も深められます。周りの人と強固な関係を作れるのも長所ですが、どうしても外部の繋がりが少なくなってしまうところは短所かもしれません。

 

ー今の和洋は外と繋がることでバランスの良さが保たれているのかもしれませんね。安心安全を担保しながら外の世界と繋がり、ものの見方を広げていける、という仕掛けになっています。Mさんのお話から、改めて気づくことができました。ありがとうございます!

ー最後に、自分の今を俯瞰してみて、どのような成長を感じますか?
和洋での6年間で自分が知らなかった自分に出会えました。人間、火が付くとどこにでも行けるんだなと思います。自分が思っていた以上に吸収できる自分に気づけたので、これからもどんどん進んでいきたいです。

【X先生からのMさんについてのコメント】
中学時代から「コツコツ、丁寧に」を実直に行い続けてきたことが、行動力を手に入れて一気に開花した感じがします。「もう少しスピーディーに!」と感じたこともありましたが、自分を貫き通すことで今の成長があるのだなぁと感じています。それぞれが持っているキャラクターを認めることの大切さを実感しています。今のMさんは本当に輝いていますね!

copyright© WAYO KUDAN JUNIOR&SENIOR HIGH SCHOOL All Right Reserved.