和洋九段女子中学校高等学校

Stories Vol.6

Vol.6 高3 Mさん

-生徒の皆さんへのインタビューを通して、和洋生一人一人の成長ストーリーをお伝えするStoriesの第6回。今回から2周目に入ります。また新しい話が聞けるの楽しみです。今回は高3のMさんです。よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

-今回はMさんが小学校時代に打ち込んでいたことから伺おうかと思います。

私は習い事に打ち込んでいました。人よりたくさんのことに取り組んでいたかなと思っています。体操、ダンス、水泳、ビーチボールバレー、和太鼓、ピアノ、それと塾ですね。

-すごい…。一週間が埋まってしまいますね。小6の時に全て行っていたんですか?

はい。ただ、スイミングは一番上の級になったので小6の途中でやめたのと、和太鼓は月に2回くらいのペースでした。あと、塾は週に2日通っていました。

-忙しくて大変だったでしょうね。全部を詳しく話してもらうとそれだけで終わってしまいそうなので、かいつまんで質問していきたいと思います。
-では、この中で一番楽しみながら行っていたのは何でしたか?

体操だと思います。マット運動が中心で器械体操を行っていました。今はできませんけど、当時はバク転もできました。

-お~、すごいですね! どういうところが楽しめたんだと思いますか?

やっぱり他のものと比べて難しい技がたくさんあって、できるようになりたいな、早く練習したいな、というのがあったんだと思います。

-そうなんですね。運動神経、リズム感、音感…、色々なものが鍛えられそうですね。このように忙しい中で塾と習い事を両立させていくのは大変だったでしょう。和太鼓の話題は期せずして先週も出たんですけど、どのように習っていたんですか?

私は和太鼓を小学4年生から習っているのですが、そこでは小学生から大学生くらいまで20名くらいが活動しています。浅草から先生が来て1年間みっちり教えてくださって夏の地域のお祭りで披露していました。

-太鼓にも種類があると思うのですが、Mさんは何を担当しているんですか?

私が叩いたことがあるのは和太鼓と締太鼓(しめだいこ)です。

-和太鼓を習い始めたきっかけは何だったんですか?

元々お祭りで和太鼓が披露されていたのを見た時にかっこいいなと思っていて、その練習場所がたまたま私が通っていた学校だったんです。あと、ビーチボールバレーを習っていた友人が和太鼓を習っていて一緒にやろうということになりました。発表の場では、難しい曲だと少し緊張するんですけど、お年寄りの方を中心としてお客さんも楽しんでくださるので、毎回ワクワクしながら叩いていました。

-習い事がこれだけたくさんあるとかなり負担になりそうですけど、全部自分でやりたいと言って始めたんですか?

そうですね。ほとんど私が習いたいと親に伝えて始めました。ただスイミングは赤ちゃんの頃に母と一緒に行っていたのを続けていたので、自分から、という訳ではないですね(笑)

-これを受験と並行して行っていたんですか。すごいバイタリティですね。一緒に行っていたから塾も頑張れたんですかね?

そうだと思います。勉強大好き、という訳ではなかったので、塾にはとにかく行かなきゃ、という感じで行ってました。

-そのような中で中学受験をしようと思ったのはなぜですか?

幼なじみが中学受験をするという話を聞いたのと、両親が中高一貫校出身でそのよさを知っていて薦めてくれたのがきっかけです。受験を勝ち抜いて合格して入学する、ということに対するあこがれもあったかな、と思います。

-入試は2科で勉強していたんですか?

私は公立中高一貫校を目指していて、文系・理系という勉強をしていたのと、それ以外に私立用の勉強として算数を週に1回習っていました。

-和洋九段を受験しようと思ったのはなぜですか?

塾の先生が薦めてくださって校舎見学をした時に、カフェテリアがすごくきれいで「この学校に行きたいな」と思いました。実際、中学の頃はよく使っていました。カフェテリアの中で食べるメニューではトマトラーメンが一番好きです!テイクアウトはオムライスのトマトソースをよく食べていました。

-おいしいですよね。ちなみに私はオムライスのデミグラスソースが好きです(笑)
-他に志望理由はありますか?

説明会で扇の舞の動画を見て、「かっこいいな、私もこれを踊りたいな」と思ったのも理由の一つです。

-約2週間後に行われる体育祭で皆さんが扇の舞を踊るんですね。最高の舞が披露できるといいですね。みんなが期待していますので、頑張ってください。
-ちなみに小学校での生活はどんな感じだったんですか?

私はあまり前に出るタイプではないと思うんですけど、その頃から性格的には変わっていません。人に合わせてしまうところがあるし…。グループで話し合いをする時も誰かが意見を言ってくれる時は聞く側に回って、誰も発言できなくてシーンとしている時は自分の意見を言ってみる、という感じです。

-小学生の頃から大人だったんですね。柔軟性や対応力があって、しっかりと受け止められるということでしょう。誰かが意見を言ってくれる時も自分の意見はあると思いますけど、そういう時はどのように受け止めたり対応したりしているんですか?

その人の案をメインにしながら自分の意見も取り入れてもらえるように合わせながら提案したりします。

-すばらしいバランス感覚ですね。なぜそのようなことができるようになったんだと思いますか?

元々自分の意見をばんばん言うよりは人の話を聞くのが好きなんです。自分と違う意見を知れるのが楽しいです。

-そういう立ち位置が居心地の良いものだったんでしょうね。そのような場を作る力をMさんは持っているように感じます。将来もそんな輝き方をするのではないかと思いますよ。
-では、ようやく中学入学です(笑)中学校に入ってからすぐにお友達はできましたか?

すごく緊張していたんですけど友だちは作りたいなと考えていて、「どうしようかな」と思っていた時に前の席の人が話しかけてきてくれてすごく安心しました。その後、席の近い人を中心に友だちができて…。あとは部活の友だちですかね。

-習い事をたくさんしている中で、和洋九段には体操部も水泳部もダンス部もありますけど、どうしてバレーボール部を選んだんですか?

まず、「運動部には入りたいな」と思っていて、いくつかの部活で悩んでいたんですけど、小3の頃から習っていたビーチボールバレーで賞をもらうことが多かったので、自分の中で自信を持てるものとして続けたいな、と思って選びました。

-入ってどうでしたか?

中高一貫校なので高校生の先輩とも一緒に活動するんですけど、高校生は本当に大人に見えて…。あこがれの対象でした!

-同学年との関係はどうですか?

今は3人いるんですけど、もめ事は一度もなかったと思います。私は一歩引いての聞き役に徹することが多いんですけど、Kさんは常に楽しんでいて、色々と積極的に提案してくれます。それをYさんが大人目線で合理的に判断して的確な意見を述べてくれてまとまっていく感じです。二人は勉強も頑張っているので、私もそれに刺激を受けて頑張ろう、と思えています。プレー面でも二人ともとても上手なので、密かに「負けたくない」、と思いながら練習を頑張って、最終的には強気でプレーできるようになったように感じています。

-そうなんですか。6年間でとてもよい関係性が作れたんですね。
-話は変わりますが、中学校での思い出はありますか?

やっぱり合唱コンクールが印象深いです。クラスみんなで協力して、だんだん上手になっていって、頑張った成果を発表できた時のうれしさが忘れられません。中1の時のクラスは特に仲が良くて一体感もありました。「地球星歌」を自由曲で歌ったのを覚えています。
あと、体育祭もクラス対抗リレーでよい成績だったような気がします。

-中学から高校になって何か変化はありましたか?

う~ん。あまりそういうのを意識せずに高校生活が始まった感じがします。

-それも良さなのかもしれませんね。学校が変わったらそうはいきませんから。意識を変えず、自然に高校生活をスタートできるというのはMさんの場合プラスに働いたように感じます。

高校生になって一番変わったことを強いて挙げるとすると「部活などで後輩のことを考えるようになった」ことかな、と思います。

-どういう思いで後輩とコミュニケーションを取っていますか?

自分が中学生の時は高校生の先輩の存在が大きすぎて、話しかける時にとても緊張してしまったこともありました。なので、自分は気軽に話しかけてもらえるようにこちらから積極的に話しかけるようにしていました。

-元々の「一歩引いて…」というスタンスとは少し違いますね。そこはなぜ違いが生まれるんでしょうか。

元々年下の子の面倒を見るのが好きというのもあるんだと思います。

-確かにMさんの後輩への接し方を見ていると、そういうのを感じられることが多いですね。その優しい思いは後輩にも伝わっていると思いますよ。
-高1の夏休みにはオーストラリアの語学研修にも参加しましたよね。その時の思い出などを教えてもらえますか?

行く前までは「英語大好き!」という感じではなかったんですけど、行ってからは英語を話せるのはいいな、と思って、英語に対して興味を持てたと思います。

-海外での2週間を過ごしてみていかがでしたか?

親のいない中で過ごす2週間は初めてだったのではじめは不安だったんですけど、やってみると意外にできるな、と思いました。

-スクールバディととてもフレンドリーに接することができていたようですけど、どのようにコミュニケーションを取っていたんですか?

本当は私が英語で積極的に話しかけなきゃいけなかったんですけど、バディの子が頑張って日本語で話しかけようとしてくれてとてもありがたかったです。

-相手のことを考えてコミュニケーションを続けることでお互いの思いが伝わって、よい関係性が作られていったのかもしれませんね。
-2週間過ごす中で何か大変なことはありましたか?

電車で通学していたんですけど、降りるはずの駅に止まらない急行に乗ってしまっていて、電車の中の電光掲示板で気づいて、その時はかなり焦りました。気づいたのが早かったので、降りる駅より前で降りられたので良かったです。

-それは焦りますね。たとえ間違っても車内の掲示を見て早めに気づけたのが良かったのだと思います。
-他に大変だったことはありますか?

ステイ先の親戚の方が集まる機会があったんですけど、小さい子とコミュニケーションを取るのが難しかったです。大人が相手だと「こういう意味かな?」と想像してくれるんですけど子供にはそういうものがないので、自分たちでどうにかしないと伝わらないという状況でした。

-2週間で得た一番大きなものは何でしたか?

海外にも自分と価値観の合う存在がいるんだな、ということに気づけたことが一番大きな財産です。

-なるほど…。海外に行くと違いに気づくことは多いんですけど、Mさんは「同じ」というところに気づいたんですね。バックボーンは違ってもわかり合える。とても素敵な気づきですね。心に響きます。
-他に高1で思い出に残っていることはありますか?

高1で初めて学級委員に選ばれて、まとめる立場で迎えた文化祭はとても楽しかったです。

-高校生から学級委員を務めているんでしたね。人前に出る立場になって気をつけていることは何ですか?

仲のよい友だちの意見だけでなく、クラス全体の意見を取り入れることを大切にしています。

-これも大切なことですよね。学級委員になって心境の変化はあったんですか?

う~ん。特に感じませんが、もう一人の学級委員が何でもしっかりできる人なので、すごく刺激を受けています。

-高1から学級委員に選ばれたのはなぜだと思いますか?

どうでしょう?中3の時にクラスで文化祭の副責任者をやっていたのが大きいのかな。

-でも、単にその役をやったというだけではない何かがあるんでしょうね。今まで聞いていた話でいうとMさんからは「公平」であろうとする姿が見えてくるように感じます。
リーダーというのはどんどん前に進む力を与えてくれるタイプだけではないんですよね。チームを常に公平に見続けてくれる、これも大切なリーダー像なのでしょう。それがMさんへの一票に繋がっていったのかもしれませんね。
-高1の最後から新型コロナの影響を受けているわけですけど、その頃のことを振り返っていかがですか?

友だちと会えなかったのはすごく残念だったんですけど、オンラインで授業がすぐに始まったのはすごくありがたかったです。

-そう言っていただけるととても嬉しいです。特に印象に残っている授業はありますか?

先生たちが作ってくださったスライドがすごく工夫されていて、ありがたかったです。
授業の内容では、古典の授業で行った物語のストーリーについて、自分たちでスライドを作って発表するというのがとてもおもしろかった記憶があります。同じテーマでもそれぞれスライドに個性が溢れていて、発表を聞くのもとても楽しかったです。

-コロナ禍はとても大変だったと思うんですけど、そのような中で得たものはありますか?

自己管理をするようになったなと思います。家ではチャイムが鳴らないので自分で時間を管理しなければなりませんでした。

-そうですよね。自己管理ができるようになることはとても大切ですから、この時期にそれができるようになったのはプラスですね。
-授業以外の生活はいかがでしたか?

オンラインで部活動をしました。基礎トレーニングが中心で、後輩の面倒も分担して見ました。体育館だと自分の好きな練習に偏りがちですけど、オンラインで行うことで自分の苦手に向き合う時間ができたことは良かったです。私は毎回ほとんど休みなく参加できました。

-中学入試の際には家から画面越しに受験生に対して激励してくれましたよね。どのような思いで受験生を送り出していましたか?

「落ち着いてやればきっとできるよ」という思いで見送っていました。

-受験生も緊張する中で画面に目を向けていましたから、その思いは伝わっていたと思いますよ。
-中学から高校になるにつれて、どのように自分が変わったと思いますか?

PBLもたくさん経験して、人の気持ちを理解できるようになったことが一番かな、と思います。あとは、年上の方を敬ったり下級生を労ったりということができるようになったかな、と思います。

-Mさんを見ていると、いい距離感での先輩や後輩との関係性を作れているのかな、と思いますね。先輩からもかわいがられるし、後輩からも慕われるという関係性ができているのかな、と。単なる上下関係ではなく、心から慕い、慕われ、という関係性ができているのが素敵だと思います。
-高3になってからはどのような生活を送っていますか?

やはり扇の舞中心になっています。

-扇の舞に向けてどのように取り組んでいますか?

最初、全員に対して扇の舞についてのアンケートがあって、扇をどのようにしていきたいか、という皆の思いを聞き取った上で意見をまとめてくれて、全体の意見を反映したものを扇委員さんが形にしてくれています。

-私がすごいな、と思ったのが、昨年度の3学期、オンライン授業になる前に扇委員さんが舞の振りを全て動画に録画して皆さんのタブレットにダウンロードしていたことです。あれでかなり個人練習がはかどったのではないですか?

はい、すごく役立ちました。3学期はオンライン授業だったこともあって個人での練習が中心だったので、わからない振りの部分を何度も見直すことができて、かなり心強かったです。
扇委員さんは大変なこともあるはずなんですけど、それを表に見せず全体をまとめてくれているので、本当にありがたいです。

-そうなんですね。最終的に良い形で発表できるのを学校関係者全てが願っていますので、ぜひ頑張ってください。
-では最後に、将来の夢を聞かせてもらえますか?

私は一人で過ごすのが不安なので(笑)、個人で何かを作り上げるというよりも、誰かと一緒に何かを作り上げていくというか目標に向かって取り組んでいくという仕事に就けるといいな、と思っています。今は接客関係の仕事に興味があります。

-コロナが落ち着いたらインバウンドのお客様がまたたくさん戻ってくるでしょうから、英語力を付けて頑張ってくださいね!
-インタビューを受けての気づきはありますか?

やっぱり私は人と関わるのが好きなんだな、ということに気づけました。

-それが将来に繋がっていくんですね。素敵な気づきをありがとうございます。
-では、和洋生の後輩に向けて、高校生としてのアドバイスをお願いします。

中学生のうちは行事を全力で行ってほしいと思います。皆で何かを作り上げる中で団結力も実感できますし、協力することの大切さも知ることができます。高校に入ってからも そういう力は様々なところで必要となりますし、何よりも扇の舞でその力は発揮されると思います。

-なるほど。そこに全てが繋がっていると感じているわけですね。
-最後に受験生に向けてメッセージをお願いします。

和洋は生徒同士の関わりがとても濃いですし、中高での生活は6年間あるので触れ合う機会も多いです。一生の友だちが作れますから、ぜひ入学してきてください!

-6年間を過ごしてきた「和洋生」としての様々な経験や大切な視点を示してくださり、ありがとうございました!

【X先生からのMさんについてのコメント】
Mさんはいつもほがらかで思いやりがありますね。慎重にじっくり考えた上で行動するタイプで、目標を決めてコツコツ取り組めます。周りに流されず努力し続けた結果が成果として現れていて、まさに「和洋生」だと思います。

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