和洋九段女子中学校高等学校

Stories Vol.40

更新情報

2022/07/15 更新しました。

Vol.40 高3 Mさん

-インタビューを通して和洋生の成長をお伝えするStories。区切りの40回目となる今回は、先日の体育祭で扇委員長を務めた高3のMさんからお話をうかがっていきたいと思います。よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

-では早速インタビューに入っていきましょう。Mさんといえばダンス、というイメージですが、ダンスを始めたのは中学に入ってからですか?

いえ、ダンスは地元のダンススクールで小3の頃から習っていました。小6の夏くらいから受験のために少しお休みしましたけど、小学校の時は3年半くらい習っていました。

-小さい頃からダンスを習っていたんですね。
-どんな流れで習い始めたんですか?

はじめは親から勧められてだったと思います。母が中高ダンス部だったということもあって勧めてくれたのもあると思いますし、小学生の頃の私は「勉強は二の次、動くのが大好き!」というタイプだったので、体験に行った時もとても楽しくて、それで習い始めることにしました。

-そうなんですね。その頃はどんなダンスを習っていたんですか?

小学校の時はテーマパークダンスというディズニーのパレードで踊るようなダンスを習っていました。イベントの前にはオーディションもあって、それによってポジションが決まるので、負けず嫌いの性格も手伝って、家でも練習をして頑張っていました。

-頑張っていたんですね。ダンスは今も習っているんですか?

はい。中1になってからまた始めて、途中でスクールが変わったんですけど、高校生になってからも習っています。

-中学になってからはどんなダンスを習っているんですか?

色々ありますけど、ヒップホップ、ガールズヒップホップやジャズなどのダンスを習っています。

-ヒップホップとガールズヒップホップというのが別にあるんですね。どのような違いがあるんですか?

ガールズヒップホップというのは、女性らしさを表現するスタイルで、可愛らしさやセクシーさを表現するものが多くて、ボディラインを強調した振付が多く使われてます。特に胸や腰を使う振付が多いのも特徴だと思います。
ガールズヒップホップダンスだからといって、男性が踊ってはいけないというわけではなくて、男性がガールズヒップホップダンスを踊ることもあって、ガールズヒップホップダンスを踊りこなす男性ダンサーもいるので尊敬しています。

-色々なダンスのスタイルがあるんですね。

そういえば、今通っているダンススクールにはたまたま和洋のダンス部の後輩も通っていて、一緒の舞台に立つこともあるんですけど、とても心強く感じています。その子はすごくしっかりしていて、かわいらしくて、いつも刺激をもらっているんです。

-それはすごい偶然ですね。後輩ともよい関係が築けているんですか。すばらしいですね。
-今もスクールには通っているんですか?

扇の練習が忙しかったというのもあって、高3になってからはなかなか通えていません。行けないのは残念ではあるんですけど、趣味の1つとしての活動なのでストレスは感じていません。

-そうなんですね。ダンスを続けてきてよかったのはどんなことですか?

色々な友人と知り合えて、その子たちとコミュニケーションすることで視野も広がって、なにより大きな舞台に立って達成感を得られることが自分を精神的に大きく成長させてくれました。あと、技術的な部分では、位置隊形や振りなど扇の舞にも活かせた部分が多くあったと思います。

-なるほど、多くの部分で成長を促してくれた存在なんですね。
-では次に中学受験のことを聞いていきたいと思います。Mさんはどうして中学受験をすることになったんですか?

私は中学に入ったらダンス部に入ろうと思っていたんですけど、地元の公立中学にはダンス部がなくて、ダンス部のある私立校を受験しようと考えました。あと、ダンススクールに通っていた時、上の学年の子たちは、中3になると高校受験のための勉強をきっかけにやめてしまうことが多くて、中高一貫校に入れば高校受験がなくてダンスを続けられると思ったからです。

-なるほど。和洋九段が選択肢に入ってきたのはどのような流れからですか?

両親や知り合いから勧められたというのもありますし、伝統がある女子校でダンス部があるというのが決め手になりました。

-実際に学校を訪問したこともあったんですか?

はい、クラブ体験会でダンス部の体験をしました。その後、文化祭にも参加してダンス部の発表も見たんですけど、体験会の時に教えてくれた先輩が踊っていて、とても輝いていたのを覚えています。

-お母様の母校も受験されたんですか?

いえ、和洋九段しか受けませんでした(笑)。落ちた時のことは考えていなくて…。

-もし和洋がダメだったら公立中学だったわけですね。リスクはありますが、合格できてよかったですね!
-では次に、中学に入学してからのことを聞いていきましょう。
-小学校と中学校で変化したことはありますか?

小学校の頃は盛り上がると周りが見えなくなって「自分が、自分が」みたいなところもあったんですけど、中学生になってからは、友だち関係を作っていく中で少しずつ気を配れるようになったと思います。あと、小学校の頃は男子みたいな生活を送っていたので、女子校に入って女子力があがりました(笑)

-なるほど(笑)、そうなんですね。
-Mさんは自分のことをどんな性格だと思いますか?

ポジティブだと思います。悪いことがあった時には落ち込むことはあるけど、引きずることはありません。

-それはすごいことですね。秘訣はあるんですか?

どうだろう?いつでも「なんとかなる」と思っているので…。

-なるほど。慶應義塾大学で幸福学を研究されている前野隆司先生が「幸せの四つの因子」というのを唱えていて、その一つが「なんとかなる」なんですよね。Mさんはそれを実践されているということなのでしょう。
-他はいかがですか。

中学に入ってからPBLをやるようになってプレゼンテーションをする機会が増えて、小学校ではやったことがなかった「自分で作った資料をもとにして誰かに発表する」ということが日常になりました。はじめは先生たちに教わりながら言われるがままにやり方を覚えていったんですけど、回数を重ねるにつれて、あの子みたいに上手になりたいなと思うようになって、自分でもだんだん凝ってきて「聴いている人が飽きないようにするにはどう工夫するのがいいのかな」ということを考えて作るようになりました。その結果、グループで選ばれて全体でも発表して、クラスのベストプレゼンターに選ばれた時には達成感がありますし、ここまでやってよかったなという気持ちになれます。

-凝っているポイントというかテクニックのようなものをいくつか紹介してもらえますか?

まず、文字の大きさや配色に気をつけています。プレゼン用のソフトには基本のテンプレートがありますけど、それを使ってしまうと他の人と差がつかないので、オリジナルでその都度作成します。背景をテーマに関係するもの、例えば環境問題だったら森林の背景を取り入れて見やすく加工したり、スライドに記載する内容は発表原稿とは違う表現に言い換えて、大事なことは目立つように色を変えたり、アンダーラインを引いたりしています。

-発表原稿と違う表現で、というのは大切なポイントですね。同じにしてしまうと聴いている側がスライドの文字を読み始めてしまってプレゼンを聴かなくなりますから…。

そうなんです。同じ意味になるように言い換えるのは結構大変です。

-これはうまくいったな、というプレゼンはありますか?

今も進化中なので、「これが完璧」というのはまだないです。

-成長し続けているんですね。これからも楽しみです。
-では次に、ダンス部のことを聞いていきましょう。中学に入学して念願のダンス部に入ったわけですけど、いかがでしたか?

中学1年で入ってすぐは基礎的な練習が多かったです。中2になると中1の手助けも始まりました。ちょうど高校に入る時にコロナがはやり始めて、オンラインで繋がってストレッチしたり踊ったりしていました。皆で集まってオーディションということもできない時期があったので、後輩が踊ったダンスを動画で撮って送ってもらって、それを見て審査していました。事前には後輩から「自分のダンスを見てください!」と動画が送られてきて、それにアドバイスをしたりもしました。

-高校生で引っ張る立場になった時にコロナ禍だったのは大変だったでしょうね。

私はトップに立って引っ張っていくのが得意な方ではないんですけど、同輩3人がサポートしてくれて、一緒に考えて乗り越えてこられました。1人だけでは厳しかったと思います。

-上級生として気をつけていたことはありますか?

自分たちが一番上の責任ある立場であるという意識は常に持ち続けていました。私は注意するのが得意ではないので、何かを指摘する時も盛り上げながら、部活を楽しみながら指摘するように心がけていましたし、「お説教」にならないように気をつけていました。

-怒られて楽しい人はめったにいないでしょうし、とはいえ成長するためには直すべきポイントは的確に指摘する必要があるので、言い方が難しいですよね。引っ張り方はそれぞれなので、自分に合った形で進めていくのがよいのでしょうね。
-そのような形で進めていって、後輩達はついてきてくれましたか?

はい、ついてきてくれたと思います。クラブの最中はきちんとした上下関係があるんですけど、それ以外のプライベートでは先輩と後輩の距離が近くなっていて、最近は年々そういう傾向になっていると思います。

-よい関係が築けているのですね。
-話は変わりますが、Mさんは全国高等学校総合文化祭東京大会にも参加されますよね。なぜ応募することになったんですか?

はじめは和洋でチラシが配られて、親に相談してせっかくだったら受けてみたら?ということになりました。部活を引退した後も何かやってみたいなということでオーディションを受けてみることにしました。

-私はダンスだけなのかと思っていたのですが、違うんですね。

はい、私もはじめははっきりわかっていなかったんですけど、ミュージカルでした。オーディションではダンスに加えて1曲自分で選んだ曲を歌うというのもあって、コロナが流行していた時期なので両方とも録画したものを送って選考が行われました。実際にはダンス以外に演技がメインで、劇団に入って活動している人や学校で演劇部に入っている人が多く集まっています。

-実際に活動してみていかがですか?

ダンスだけでなくて歌うことも好きなので、楽しく活動しています。多くの人がいる中で自分がどのようにアピールするか考えることができますし、他校の生徒と触れあうことで自分に欠けている部分に気づけることもあってとても刺激になっています!

-どれくらいの頻度で練習があるんですか?

時期によって違うんですけど、毎週日曜に練習がある時もあるし、2週間に1回の時もあります。
お稽古もはじめはオンラインで始まって、集まれるようになってからは対面で行われています。初めて対面で会った時は自己紹介をしたんですけど、それも特徴的で、自分の名前を体で大きく表現しながら、名前の由来を説明するというものでした。

-おもしろいですね。しかもこれから行っていくことにリンクしていてプラスもありそうです。
-Mさんはどんな役なんですか?

ストーリーがいくつかあって担当が振り分けられているんですけど、私はその中で生徒役と美容師役を務めます。

-本番に向けて意気込みはありますか?

秋に行われたプレ大会では会場にお客さんがいなくてオンライン配信だったんですけど、7月31日に行われる本番では客席が満員になる予定なので、やりがいがありそうです。本番は一度しかないので、悔いがないように精一杯やりたいです。

-本番を楽しみにしています。Mさんも楽しんできてくださいね。
-自主活動ではグループでパーム油のことを調べていましたね。どのような流れでパームを調べることになったのでしょう?

中1からSDGsを通して色々なことを学んできて、中1の頃は海の豊かさを調べていました。そこから、高校では森の豊かさについても考えていきたいな、ということで行き着きました。実際に行えるボランティアもあったんですけど締切が過ぎていたり予定が合わなかったりで行えず、オンラインの講演会を聴くだけになってしまったのですが、調べて伝えたいことができても、大企業と手を組んでいるわけではないので、広める際に壁を感じました。その分、4月に行われた後輩に向けてのプレゼンではどのように伝えるか、楽しんでもらう方法を色々考えて、射的の要素を入れたり、クイズ形式にしたりしました。

-たくさんの後輩が聴きに来てくれていたようですね。たくさんの人に知ってもらうために工夫することは大切ですね。
-では、いよいよ扇の舞について聞いていこうと思います。扇の舞の委員長として、舞い終わった今、どのようなことを感じていますか?

まず扇委員8人がいなければ令和4年度の扇の舞は完成出来なかったので、本当に感謝の気持ちで一杯です。今年の扇の舞は制服がリニューアルしてから始めての扇になるので、今までの先輩方が残された伝統を引き続きながらも新しい扇を、というプレッシャーがとてもありました。
昨年の夏休み、オンラインからスタートした扇の活動でしたが、オンライン越しだと進行がなかなか上手くできず不安でした。決められた時間でまとめることがこんなににも大変なのかと、毎日反省だらけの日々が続いていました。終わった今、9ヶ月間の活動を振り返ると、本当にあっという間で、毎日が充実していました。

-しっかりと伝統を引き継ぎつつ、新制服で踊ることも意識された、オリジナリティ溢れる舞でしたね。
-昨年の振り付けがモチーフになっているのかな、と感じられる部分があったように見えたのですが、どうだったんですか?

今まで自分たちが踊った動画も見ながら、よい振り付けは参考にした部分があったので、それが伝わっていたなら嬉しいです。

-舞を通して一番伝えたかったことは何だったですか?

新しく変わった中でも伝統は続いていくよ、これからもそれを大切にして続けていってね、という思いを後輩達に伝えたかったです。

-きっとその思いは伝わっていると思いますよ。本当にお疲れ様でした。
-では最後に、後輩と受験生に向けてメッセージをお願いします!

まずは後輩へ。得意なことは更に追及し、自分の長所を生かすことはもちろん、苦手なことも積極的に参加して今までとは違う角度から挑戦してみたり、中学高校生活6年間でしか出来ないことを和洋で見つけて楽しんで下さい!やるからには全力で!

そして受験生へは、なかなか上手くいかないことも多くて投げ出したくなるかもしれないけれど乗り越えれば楽しい高校生活が待ってます!受験勉強頑張ってください!

-Mさんの優しさがつまった熱いメッセージ、きっと後輩や受験生にも伝わると思います。これからも頑張ってください。ありがとうございました!

【X先生からMさんについてのコメント】
Mさんは表現力豊かで、数多くの作品を創作し、出演してきました。自分が踊るだけでなく後輩への教え方も的確で、いいところをよく観察して褒めながらダンスを教えていました。後輩にも慕われ、頼れる存在です。また、スライドのデザインに代表されるプレゼンテーション力だけでなく、人を惹きつけるしゃべり方も魅力です。何事にもチャレンジし続ける姿勢は後輩の良いお手本となっています。

集団をまとめる際にも、何があっても丁寧に受け止め、そして受入れ、常にポジティブに「誰一人取り残さない」アプローチを行い、チーム力を活かすために目配りを忘れない、心根の優しい生徒です。

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