和洋九段女子中学校高等学校

Stories Vol.35

更新情報

2022/04/30 更新しました。

Vol.35 高3 Kさん

-インタビューを通して和洋生の成長をお伝えするStories。今年度の第1回目、通算だと35回目になります。高3のKさんにお話をうかがっていきたいと思います。よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

-では早速インタビューに入っていきたいと思いますが、Kさんはどんな幼少時代を過ごしていましたか?

あまり覚えていないんですけど、今とあまり変わらないかもしれません。

-どのようなところが変わっていないと感じますか?

小学校の頃から自分の意見を書くのが苦手でした。読書感想文などで自分の意見や気持ちを書くのも苦手で、そういう宿題を後回しにしてしまっていました。思っていることはあるけどそれをまとめるのが苦手で、どちらかというと私は自分のことを話す、というより周りの意見を聞いて「こういう感じ?」とまとめる役が多かったですし、自分でもそういう方が合っているな、と思います。

-そうなんですね。Kさんは学級委員を務めていますけど、選出されているということがクラスのまとめ役としての信頼の証ということでしょう。将来の夢はありますか?

私は小学校教諭を目指しています。小学校の時にとても面倒見のよい先生がいて、先生でも親でもない、近所にいるお姉ちゃんみたいな存在でした。勤めて数年目の先生だったと思うんですけど、近すぎず、近くにいても嫌な感じがしない存在でした。小学生の時は先生の存在について考えることはなかったですけど、今考えてみるとそういう存在だったのかな、と思います。

-夢がずっと続いているんですね。

はい。小6の卒業式の日に、卒業証書を受け取る前に皆の前で将来の夢を言うというのがあったんですけど、その時に「これを言おう」と決めて、それまでふんわりとした夢だったのがはっきりとしたと思います。小学校の頃は関わりも狭くて、家か近所か学校かだけでしたし、中高に入ってからは企業訪問もして、「こういう仕事もあるんだな」と感じる時もあったので、もし小学校の時にふんわりした思いのままだったら違う職を目指していたかもしれません。

-なるほど。どの時期にどのような思いで目標を立てるかというのも大事なのでしょうね。
-では、話を受験のことに移していこうと思います。
-和洋九段を受験校に入れることになったのはどのような経緯でしたか?

私は姉が和洋九段に通っていたので、一番は「姉が通っていたから」というのが大きいです。姉が受験する時に「女子校であること」や「通いやすさ」「扇の舞などの伝統的な部分」をもとに和洋を選んでいたので、私もその流れでした。他校も見に行ったんですけど、やっぱり和洋がいいな、と思いました。

-そうだったんですね。ありがとうございます。中学受験自体はいかがでしたか?

小学校の勉強とは違うことをするので、楽しかったです。

-受験を楽しめたというのは珍しいケースのように感じますが、何が影響しているのでしょう?

親からあまりガミガミ言われなかったので、それで楽しめたのかもしれません。

-そういうことが勉強のモチベーションに繋がっているんですね。

私は学校の宿題も嫌ではありませんでした。先延ばしにはしちゃっていましたけど…(笑)。ギリギリにしても何とかやれてしまって、失敗はしていないので、その成功体験が自分をダメにしているのでは?と感じる時もあります。母からは「1回失敗しないとわからないんじゃない?」と言われています。

-なるほど。変化することで、より成長できる可能性がありますね。
-小学校時代は何が好きだったんですか?

全てに姉がいる感じで、後からついていっている感じだったんですけど、「この作家さんの本がおもしろいよ」と児童書を紹介してもらって、その作家さんの本を読んでいました。

-それはどなたの本だったんですか?

はやみねかおるさんの本で、この方は元々小学校の先生をしていて、子供たちに読み聞かせをしているうちに、「もっとおもしろいものを聞かせたいな」と思うようになって、自分で文章を書き始めたんです。すごく意欲的な小学校の先生だったんだな、と思いますし、今となっては生徒のことをよく見ていたからこそ、こういうストーリーにしていたのかな、と感じます。

-なるほど。読んでいた時期には気づいていなかった背景に意識を向けられたんですね。
-では、入学後のことに話を移していきたいと思いますが、入学後もやはりお姉さんの影響を受けていたんですか?

和洋に入ってからは姉についていくのをやめたと思っています。部活動も別でしたし。

-Kさんは管弦楽部ですよね。なぜ管弦楽部だったのでしょう?

私は姉が入学した後、文化祭に来ていたんですけど、土曜は講堂の最後に締めくくりとして管弦楽部の演奏が行われていました。和洋は吹奏楽ではなくて管弦楽だったので、弦楽器にとても憧れがあって、私は入学後、チェロを担当することになりました。
実際は色々な楽器を試しで弾いてみることができたんですけど、心肺機能が高くないので、管楽器は音が出ませんでした(笑)。ちょうどチェロを担当していた高3の先輩が引退される時期で、チェロ担当がいなくなってしまうタイミングに先輩から「せっかく弦をやるならチェロやらない?」と誘われてやってみることにしました。

-実際にチェロを弾いてみていかがでしたか?

弾いた時には自分の体も振動する感じで、すごい楽器だな、と思いました。楽器のすぐ近くに自分の体があるので、特に低い音などは音を体で感じるようでした。

-体感できるものだったんですね。それはとりこになりそうですね。
-長い間活動してみてどうでしたか?

コロナ前は練習時間も長くて、音階練習という基礎練にも多くの時間を費やしていました。バイオリンを担当していた先輩が行っている音階練習がまるで曲のように聞こえて…。コロナ禍で練習時間は短くなっていますが、私も目指したいなと思っています。

-基礎練が大切なんですね。

はい。基礎練はあくまで曲を完成させるための準備運動ですけど、基礎練が上手になればなるほど曲もよくなると思うので重要です。

-はじめと比べて変化はありましたか?

他の楽器と一緒に曲を演奏している時、はじめのうちは管楽器に弦が負けそうになって自分の楽器の音がわからなくなっていました。でも、ずっと続けることで、自分の楽器の音が自分の耳には聞こえていないかもしれないけど音を感じられるようになったと思います。

-大学に行った後も続けるんですか?

サークルなどで続けるかはわからないです。でも、一生の趣味になりそうです。

-一生続けられる趣味ができるなんて素敵ですね。
-最高学年になって見えてきたものはありますか?

後輩の時はいつも同じメニューをこなしているなと思いつつあまり深く考えずに練習していたな、と思います。自分が部長になってまとめたり指示を出す側に立ってみると、顧問の先生やコーチから話を聞いて、色々と考えた結果として「同じ指示」になっていたということに気づきました。

-なるほど、深いですね…。先輩方も同じ思いで過ごしていたのでしょうか。
-話は変わりますが、中学に入って小学生の時と変わったな、ということはありますか?

学校のテストで100点が取れなくなったことかな、と思います。小学校の時は単元別のカラーテストでも授業をちゃんと聞いていれば結構解けていたので、中1の中間テストを受けた時に「こんなに取れないんだ…」と衝撃を受けました。

-確かに中学以降は満点を取るというのは珍しくなるかもしれませんね。
-他にはありますか?

小学校にはなかったPBL形式の授業があって、自分の考えをまとめて発表しなければならない機会が増えたことが、はじめはあまり好きではなかったです。でも、中1の夏休みに旅行を企画する社会の宿題が出て、2学期に行ったその宿題のプレゼンテーションが、緊張したけどとても楽しかったです。夏休み中に発表に使うスライドや台本を一生懸命まとめたんですけど、2学期になってタブレットが壊れてデータが消えてしまい、慌てて作り直しました。台本が十分に作り直せなくてぶっつけ本番になっちゃったんですけど、台本を見ない分、アイコンタクトとか身振り手振りが増えて結果的に良い発表になりました。自分の中では今まで行ったどの発表よりも1番気に入っているプレゼンテーションです。

-なるほど。内容が頭に入っていれば、原稿を読むより伝わりやすいプレゼンになりますね。

-中学の時の思い出は他にありますか?

中3の卒業間際にコロナが流行し始めて、春期講習でZoomを使って授業ができるかやってみよう、ということになりました。終わった後に他の子と一緒に残って、質問をしたりしておしゃべりしたのは楽しかったんですけど、画面越しの授業は私には合っていませんでした。

-そうなんですね。Kさん達にとっては高1でオンライン授業が多かったですよね。

そうです。新学期になってオンライン授業が始まって、家で授業を受けるのでダラダラしてしまってズルズルと授業を受けることになっていました。学校に登校する時は、朝制服に着替えて、電車に乗って学校に向かうというのが切り替えになっていました。学校から家に戻る時は電車の中で少し寝て、家について制服を脱ぐことで切りかえができていたのだと思います。
そういう切り替えができなかったために、時間はたくさんあったはずなのに気づくとすぐに夕方になってしまって、時間を有効に使えませんでした。

-そうだったんですね。オンライン授業は、うまくいく人、いかない人、それぞれですね。
-高校に入って何か印象に残っていることはありますか?

「先輩から話を聞く会」で数学科に進学した先輩からお話をうかがうことがあったんですけど、その時先輩は勉強の仕方とか受験のことは一切話さず、「なぜ私が数学に魅力を感じたのか」ということを熱く語ってくださいました。私はそれまで数学を学ぶ意味をあまり考えたことがなくて、解き方をパターンとして覚えると点数を取りやすいな、ということくらいしか考えていませんでした。でも最近は「数学っておもしろいな」と少し思えるようになってきました。例えば、一度学んだ考え方が別の単元でも出てきて応用できることがわかったりして…。今まだ学び続けているので進行形ではありますけど、ちょっとおもしろいかも、と思えるようになりました。

-なるほど。先輩からの話で見方が変化したんですね。すばらしいです。
-Kさんは新タイプ入試の問題作成チームにも入ってくださっていますが、その活動で感じたことはありますか?

PBL入試のSDGs型の問題を考えるチームに入らせていただいているんですけど、SDGsがだんだん世に広まってきて、企業などでも既存のものをSDGsに当てはめて「今までうちでやってきたこの取り組みはSDGsだよね」と後付けすることが多くなっていると思います。
この入試で考えてもらう内容は、「新しいものを作る」という視点に立っていて、私自身もSDGsを「知る」ところから「達成に向けて新しいものを生み出す」側に携われたということが良かったと思います。自分でもやってみたいなと思えるものができあがりました。

-実際にこの入試を経て入学してきた新入生もいますからね。

自分たちが作ったものに誰かが興味を持ってくれて、その人の人生を少しでも変えたかもしれないと考えると、感慨深いです。

-そうですね。2科・4科とは違ったメッセージが送れそうですね。

-今までの経験をたどってみてどうですか?

「いつの間にかここまでふらっと来ちゃったな」という感じです。それなりに大変だったはずなんですけど…。

-概ね順風だったということでしょうね。
-では、最後に受験生や後輩に向けてメッセージをお願いします。

何があるかな…。

-小学生、中学生だった自分に向けてでもよいですよ。

そうですね…。「時間はもうちょっと上手に使いなさい」と言いたいですね。優先すべきことがあったはずなのに、それをしてこなかったと思うので、「やるべきことを先にやった方がいいよ」と伝えたいです。

-これも後輩に向けた大切なメッセージになりそうですね。進路に向けてこれからも頑張ってください。ありがとうございました!

【X先生からKさんについてのコメント】
思慮深く、周りのことをよく考えて発言、行動できます。また、創造力が豊かで、表現力に富んだプレゼンテーションが魅力です。今後も持ち前の好奇心をいかんなく発揮し、知識だけでなく様々な経験を獲得していってもらいたいですね。

過去のStoriesはこちらからご覧いただけます

copyright© WAYO KUDAN JUNIOR&SENIOR HIGH SCHOOL All Right Reserved.